占い師デビューしたのはちょっと寒い日のことでした。ドキドキしながらお客様を待つ時間の長いことといったら…。
そうして数時間、初めてのお客様がこられました。まずは生年月日、お名前などを書いていただいて、占いに入ることにします。
んがっ…!
あまりに緊張したため紙から目を離したとたん「あり?何年生まれだっけ?」「この人何を占ってもらうんだったっけ?」と頭が真っ白。
紙と占い道具を目が往復している有様は、さぞかし不信感を与えたことと思います。
一応鑑定料をいただきまして、お帰りになるお客様がドアを閉める直前、首をひねっていたあの光景は忘れられません。