ある時若い女性が思いつめたような表情で相談にこられました。
「あるライバルについて占ってください」というものでした。
聞いてみれば、とある習い事にて指導者から自分が次の発表の主役に内定していると聞き、家族から友人からとあれこれ話してまわったけれども、実はもう数人候補がいて、結局は別の人に決定してしまったとのこと。
「もう周囲に言って回ったので、見に来られたら私が主役ではないということがばれてしまいます。
そんな恥をかきたくないのでライバルの運勢を占っていただき、そこに付け入る部分がないか知りたいのです。
どうやっても主役から引き摺り下ろしたいのです。
あんな人が私より優れているだなんて信じられません。許せません」
ある霊能者の方が言っていました。
「幽霊だの物の怪は小さな頃から見慣れているからさして怖くない。
私が恐ろしいのは生きている人間の欲だ」
本当にそのとおりでございます。