電話での鑑定をしている先輩の、「こんなことは二度とごめん」と思った体験談です。
どこにでもある、恋愛相談から始まりました。
相手の女性は交際している男性が二股をかけているのでは、愛情が薄れたのではということを心配して占いを依頼されたようです。
鑑定を終えて一息。次の鑑定にかかろうとした時でした。
「△さん、あなたご指定で入ったんですけど」
受付からそう言われて先輩は内心喜んだそうです。指名が入るということは定期収入につながるので、相談される方には不謹慎ですが、占い師としては助かります。
ホクホクと電話に出ると、先ほどの人でした。
「やっぱり心配になりまして」
と、とうとうと更なる不安な胸の内を語られたそうです。
よくあることですので、先輩はいろいろと話をして電話を切りました。
翌日。先輩が仕事を始めようかとスタンバイするとまたも受付から。
「△さん、朝から急いであなたに相談したいって電話がずっと入ってたんだけど」
ん?と思いながら出るとまた昨日の人。
「ああは言われてもやっぱり心配なんです。どうしたらいいでしょうか」
先輩、仕事とはいえちょっとうんざりしながらも、「占い結果は一日二日でどうなるものでもないこと」「様子を見たほうがいいという結果だったのだから、時間の経過も大切だということ」を説明しました。
そして電話鑑定に戻ろうとしたところ。
またも受付から同じ人からの電話だと。
さっき会話を終了してから10分も経過していません。
流石にうんざりして先輩は電話に出て、「そんなに何度かけても状況は変わりません」と告げました。
が、「でも彼のことが信じられなくて」とか「不安なんです」と食い下がられたそうです。
結局やり取りは、なだめる→電話を切る→またかかってくる→なだめる、の繰り返しで午前中が潰れてしまいました。
確かに占いを心のよりどころにするという気持ちも分からなくはありません。
しかしこれは明らかにおかしいと先輩は思いました。
仕事がたまりにたまっている上、他の鑑定もしなければ稼ぎになりません。
午後からその方の電話については、どうしても先輩を指名するなら手が空いていないので改めてかけなおして欲しい、と伝えるということになりました。
しかしなんとこの方、数分ごとに「もう手は空きましたか」「今ならいいですか」とかけ続けたそうです。
それから一週間。電話は続きました。
先輩、こりゃあ相手の男も逃げたくなるわ…と思われたそうで。
つーか私は絶対こんな電話受けたくありません。