これは誰に話しても何かしらのリアクションがある強烈なお話です。
そろそろ時効かなと思いますので、ネタにさせていただきます。
中学生数人の女の子がやってきました。
この年齢になると若いゆえかエネルギーに満ち満ちていて相手するのに結構疲れたりします。
もちろんお金を払って下さる以上きちんと相手をするのは義務ですが、話を聞いていなかったり、待っている間に騒いだりと苦手な方が多いです。
その中の一人が占いをして欲しいということで話し始められました。
曰く、自分は多重人格でいろいろな人格が表に出てきて困る。
中には男の人格もいたりして女好きで、同級生にちょっかいをかけたりしているようだ。
これから先どうなってしまうのだろうか、ということでした。
ここで言うべきことではないのかも知れませんが、多重人格であるとか、外見は女だけど心は男というような人が相談にこられても、うちは病院ではないので何もアドバイスできることはありません。
正直な話病院に行ってくださいと言っています。
そして大抵はなんちゃってであることがほとんどです。
さすがに長くこの仕事をやっていると、本気で言っているのかウソなのかわかるようになってきます。
つまり私はこういう人間なのよ、特別なのよ、ということがアピールしたくてたまらないわけです。
不思議なことに男性でこういった方は見たことがありません。
しかしこの女の子は、「親に相談できないから」とか「ここでアドバイスを受けてから考える」と言うので、仕方なく占いを引き受けることにしました。
それからしばらくして…。
占いの結果を話していたところその女の子が急に黙りこみました。
どうしたんだろうと思っていると。
「ハッ、ムダだぜ!俺はこの体が気に入ってるんだから出ていかないからな」
とか
「私、ヴォルモント・ミーナ・さくやといいます。よろしくね」
とか、言い始めました。
ご本人は極めてまじめなのでしょうがこちらとしては、オヤジギャグを飛ばされた気分です。
周囲のお友達は「また別の人格が…」とか「姫を守れるのは騎士しかいない のよ」とか言っています。
ご本人も「私の中の子達が邪魔をするのね」とか言っていました。
で、少し考えた結果相手をせずに「それで、この先ですね…」と話を再開しました。
皆さんそれから先もあれやこれや小芝居を繰り広げられていたようですが、もう変人さんには慣れっこになりましたのでそんなことでは動じません。
聞いていようがいまいが、「特にこの先(人格は)問題ありません」という鑑定結果だけはきっちりと伝えさせていただきました。
そうして、あれやこれやの人格を出されながら、愉快なお嬢さんとその仲間たちは帰ってゆかれました。
その後うちの社に、「あの占い師さんはちっともこちらにのってくれないの話を聞いてくれない」とクレームがあったそうです。
正直、どうでもいい。