これはJack2号がまだまだ新米だったころの話です。
新米だったのであまりお客さんも多くなかったのですが、緊張でガチガチになっている私はもう数人の相手をするだけでもヘトヘトでした。
その日の最後のお客さんはふくよかな、お金のあるマダムといった感じ。
占いたいことというのが今後の仕事運ということで、へぇーお金がありそうだから家でのんびりしていそうな人なのに意外だなぁと勝手に思って占っていました。
一通り鑑定が終わった時のことです。
お客様「ところで先生は、お給料はいくらぐらいなんです?」
Jack2号「は?」
お客様「この鑑定料で、お客さんが●人きたとしたら、××万くらい儲かっていらっしゃるでしょ」
Jack2号「いえ…会社に雇われている形ですので、占っただけ儲かるというのはまだまだです」
お客様「じゃあ…▲万くらいかしら、お給料」
Jack2号「まあ…それくらいですね」
お客様「となると、今後のことを考えて貯金とかは?」
Jack2号「そこまではまだ…生活するのにいっぱいいっぱい ですし」
お客様「あら、じゃあ人気が出ればお給料も上がって儲かるのかしら」
Jack2号「人並みにはいただけますねぇ…」
お客様「それじゃあね、いいものがあるのよ。ちょっと投資とか興味ない?」
Jack2号「へ?あ、いえ、よく分からないので」
お客様「あなたそれじゃあダメよ!今不況がどこまで続くか分からないし、占い師なんていつまでやっていけるか。今のうちに老後の貯金をしておくのが賢い選択よ!」
Jack2号「はぁ…でも貯金ならまあこれからしていく予定ですから…」
お客様「ダメダメ、普通に貯金してたって利息なんて、10年預けて100円にもなりゃしない。これからは投資して増やすのがいいのよ。パンフレットとかあるからどうかしら?」
この後、様子を見に来た先輩に助けていただきました。
そしてこう言われました。
「たまにああやって、先行き不安そうな人に声かけて仕事のノルマ達成しようとする人がいるから話聞いちゃダメだよ」
それは私に才能がないということですか先輩
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