ある日のこと。
今時こんなやついるのか?というような、帽子を目深にかぶり、サングラスをした、見るからに怪しげないかにもそれっぽいという男性がいらっしゃいました。
そわそわと落ち着きなく周囲を見回したり、サングラスを外そうとして戻してみたり。
かと思えばこちらが占いを始めていろいろとお話をしていくうちに不機嫌になったり…。
なんだかワケの分からないまま鑑定は終わり、帰り際彼はこちらを振り返り、サングラスを外してこう言いました。
「あのサ、俺芸能人なんだけどやっぱ分かった?もうちょっと変装した方がいい?」
お客様。
尋ねる相手が悪ぅございました。
グループサウンド(死語)といえばブルーコメッツ、歌手といえばジュリーというJack2号にとって今時の芸能人の方が分かるはずがございません。
かと言って知らないとも言えない雰囲気。(彼は名前を書かず、生年月日のみでの占いを希望していました)
彼のプライドにキズをつけてクレームでも入れられたらたまったものではありません。
「えー…あ、よくテレビで拝見しております。これからお仕事ですか?頑張って下さいね」
彼は満足げにうなずいて帰って行きました。
Jack2号、セーフ。
そして未だに彼の正体は謎のままです。